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絶筆の名作。手塚治虫『ネオ・ファウスト』感想。

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最近読み終えました、コチラの本↓↓↓

会社に依存せず、自分だけの武器を身につけキャリアを積んでいこうという、人生の指南書です。

参考になるポイントが多々あったので、また別に書評を書きます。

 

手塚治虫、登場

本書では著者である藤原和博さんの前職(リクルート)での話の中で、手塚治虫先生が登場します。

藤原さんは新しい企画として、ゲーテの『ファウスト』アニメーション化を手塚先生とのコラボで実現しようとするんですね。

が、途中で手塚先生が入院してしまい、リクルートの業績も悪化したために、泣く泣くプロジェクトは中止に・・・。

謝罪に訪れた藤原和博さんに対して、手塚先生はこう語ったそうです。

「藤原さん。よくわかりました。しょうがないじゃあないですか。

でも、私とあなたの会社との縁は、あなたが作ってくださった。どうかその縁を切らないでくださいね。

私はどうしても『ファウスト』を作りたいから、また誰かパートナーを探します。必ず作ります。私が死んだ時には、その一本のフィルムだけお棺に入れてもらえればいいんです。

藤原さん、できあがったら、必ず一番初めに観に来てくださいね。」

引用:35歳の教科書 今から始める戦略的人生計画/藤原和博

なんてカッコイイんでしょう、手塚先生。

そして僕は思うのでした。

「こんなに手塚治虫を虜にする『ファウスト』って何ぞや!?」

 

『ファウスト』について調べてみた

調べてみると、こちらのブログで詳細に解説されていました。

ゲーテ原作と、手塚治虫の3作を比較してあるため、とても理解しやすかったです。

manjutaro.hatenablog.com

ゲーテの作品であることくらいしか知りませんでしたが、手塚治虫は3度も作品にしてたんですね。

3本目の『ネオ・ファウスト』は絶筆。未完の名作だとか。

手塚治虫はなぜ三度も「ファウスト」の物語を描いたのだろう。

ゲーテの原作を読んで、自分のほうが面白く描けると考えただろうか。

描く度にもっともっと面白くできるはずだと思っていただろうか。

「ネオ・ファウスト」は完結していればきっと傑作と呼べるものになっていたはずだ。

引用:手塚治虫が三度挑んだ「ファウスト」

そう言われたら読まずにはいられないワタシ。

ということで、買ってしまいました←

 

手塚治虫『ネオ・ファウスト』感想

一言で言うと、タイムトラベルものです。

時間が戻る前に怪しい伏線が数多く描かれているんですが、第一部終盤で全て回収されます。

むしろ、終盤まで伏線のことは忘れてました。(そのくらい、内容が盛りだくさんなのです)

だんだんと歯車が噛み合って、タイムトラベル時の真実が描かれるシーンは感動しました。

個人的には、こういうミステリー大好きなので面白かったです。

しかし、第二部の一話目で絶筆。

第一部で過去から現在を描き、第二部で未だ見ぬ未来を描こうかというところでの終幕。

ラスト7ページは絵コンテの状態で掲載してありまして、読み終えると切なくなります・・・。

クローン実験(ホムンクルス)が物語りにどう絡んでくるか、そして主人公である一ノ関がどのようにしてホムンクルスを生み出し、どんな結末を迎えるのか。

どれも楽しみでしたが、結局は描かれず。

これほど完結がみたい作品はないです。

 

おわりに

これは確かに面白い。

完結させてもらって、是非後日談(なぜ3度も作品にしたのか)も聞きたかった。

そんな作品でした。

2巻で終了するのは残念ですが、手軽にサクッと読めます。

未読の方には、是非読んでもらいたいです。

ちなみに、美しい女性として描かれる「メフィスト」の裸シーンが幾度となく描かれますので、お子様は親に目撃されないように気をつけよう!!

おしまい。