これほどダイレクトに自分に響く書籍に、久々に出会いました。
それが橘玲さんの『幸福の「資本」論』です。
得られた知見は数知れず…とても1記事ではまとめ切れないため、いくつかに分けて自分なりに整理したいと思います。
人の生きる意味
まず本書では人間について、こう述べます。
ひとは幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない。
引用:橘玲『幸福の「資本」論』より
つまり、繁殖のために組み込まれた遺伝子レベルのプログラムと、現代の価値観にズレがあるということだそうです。
よって、幸福になるためには戦略を練らなければなりません。
これがめちゃくちゃ面白いです。
3つの戦略
本書では人生のインフラ(幸福の条件)として、下記の3点を挙げます。
- 金融資産(財産)
- 人的資本(働いてお金を稼ぐ能力)
- 社会資本(家族や友達のネットワーク)
これらを上手く運用して、それぞれから富を得ましょうと。
「幸福」と言われると捉えどころがありませんが、こうして具体的に形づけてくれると考え易いですね。
これはそれぞれ、下記の幸福の条件に対応します。
- 自由
- 自己実現
- 共同体=絆
これら3つを全て完璧に整える(本書ではリア充やソロ充と比較し「超充」と呼ぶ)ことが理想ではあります。
※ただし①と③が対立するため実現不可能
が、この内2つの資本を持つことができれば人生の安定度は増します。
逆に言うと資本を一つしか持ってないと、貧困や孤独に陥るリスクが高い。
では、どうすればこれらの資本を獲得することができるのか?
具体的戦略
本書では、この3つの資本に関する説明が90%を占めます。
具体例のオンパレードで、分かりやすい。
そして面白い。
詳細は本書を参照してもらうとして、3つの資本に対する具体的な目標&獲得戦略のみ端的に書き出してみます。
金融資産
- 年収800万円を目指す。
- 資産1億円を目指す。
※収入の限界効用は年収800万円で逓減し、金融資産の限界効用は1億円で逓減するため。
なかなか簡単な数字じゃないです。
僕自身、資産運用は勉強中。
人的資本(仕事)
- 生涯現役で働き、老後を無くす。
- そのために35歳までに試行錯誤し、自分の好きなこと(プロフェッション)を実現できるニッチを見つける。
※好きなことでないと一生続けることは不可能なため。
下記内容が、サラリーマンの真理すぎて辛い。
その若手社員の話を楠木氏は、「君は何か基本的なところで考え違いをしていないか?」とさえぎります。
「君が毎日会社で働くことができるのであれば、まず飛び抜けた個性は持ち合わせていないと思ったほうがいい。突出した個性のある人材なら入社もできないし、たとえ働き出しても長くは続かない」
引用:橘玲『幸福の「資本」論』より
僕も、上記のような突出した個性のないサラリーマン。
好きなことでマネタイズできるよう、35歳までの残り8年間いろいろ試してみます。
社会資本
- 強いつながりは家族・恋人(愛情空間)に最小化。
- それ以外の関係は貨幣空間として弱いつながりを保つ。
これも理想ですが、なかなか難しい。
まず友情空間(親友)を貨幣空間に持っていくのが、僕の性格的に厳しい←
そして職場の人間関係を貨幣空間に持っていくのも、ベタなサラリーマンとしては至難の業。
これに関しては自分の好きなことで生きていけるようになれば、ある程度は実現できるかと思います。
おわりに
本書の結論はこうです。
『幸福の資本論』の結論は「人は幸福になるために頑張ってるときが、最も幸福なのかもしれない」でした。
— るっち (@Braes_R) 2017年8月6日
多分、人は誰しも幸せになるために生きるんだと思うんですよ。「不幸になるために生きてます!」って人はいないのでは。
ということで、生んでくれてありがとうございます先祖さま、という結論
「ひとは幸福になるようにデザインされていない」と冒頭に書いてありますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
こうしてブログにまとめている時間も、幸福なんでしょうね。
「生きてるだけで丸儲け」とかいう格言エモいな。
— るっち (@Braes_R) 2017年8月6日
おしまい。