2017年11月1日つまり本日、米津玄師の4枚目のアルバム『BOOTLEG』が発売されました!!
BOOTLEG=”海賊盤”
このアルバムタイトルに込めた思いは、ナタリーのインタビューにて米津玄師本人が語ってくれています。
参考記事⇒米津玄師「BOOTLEG」インタビュー|オリジナルってなんだ? “海賊盤”に詰め込んだ美と本質 (1/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
他者へのリスペクト。他作品へのオマージュ。
「本物はない」からこそ、表現できる偽物の美しさとオリジナリティ。
そんな思いが込められた『BOOTLEG』ですが、俳優である菅田将暉とコラボした「灰色と青」が収録されています。
素敵な曲です。
歌詞とメロディと米津玄師の声と菅田将暉の声。
全部が奇跡的に重なって、聞いてると涙が出てきます。
今回は歌詞に焦点をあてて、「灰色と青」の意味や魅力を考えてみたいと思います。
登場人物
「灰色と青」の登場人物は、少年時代友達だったふたりだと思います。
もっと言えば、幼馴染の親友。
MVはとても印象的で、米津玄師と菅田将暉が交互に歌ってますね。
ストーリー
小さい頃はよく遊んだ、ふたり。
今は別々の道を歩んでいるけど、ふとした瞬間にお互いのことを思い出し、その面影に励まされる。
いつかどこかで再開できることを願いながら…。
そんなストーリーを想像しました。
印象的な歌詞
僕が特にグッとくるのは、この歌詞です。
朝日が昇る前の欠けた月を
君もどこかで見ているかな
何もないと笑える朝日がきて
始まりは青い色
引用:米津玄師「灰色と青(+菅田将暉)」より
ラスサビの歌詞です。
想像するに、最後の最後でふたりは再開できたようですね。
お互いに波乱万丈な人生を歩んできて、全てを失ったところで再開して、笑いながら朝を迎える。
「美しい歌詞」という表現がピッタリですよ。
もうね、泣ける…。
冒頭に紹介したナタリーのインタビュー記事で語られているように、実はこの「灰色と青」は「キッズ・リターン」という映画をモチーフにされています。
まず僕は「キッズ・リターン」っていう映画がすごく好きで、ああいうものが作りたかったんです。
高校生が自転車に2人乗りしている場面から始まって、2人はかたやボクサー、かたやヤクザという別々の道に進む。
そしてお互いダメになって、また元に戻って…という、その構図がすごく美しい映画で。
「この映画のような音楽をいつか作れないかな」っていう思いがずっと頭の中にあったんです。
引用:米津玄師「BOOTLEG」インタビュー|オリジナルってなんだ? “海賊盤”に詰め込んだ美と本質 (2/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビューより
意識して歌詞を見ると、けっこう「キッズ・リターン」のストーリーまんまなんですよね。
”あの頃”と”今”の対比に青春と切なさを感じる歌詞、どこか懐かしいメロディ、そして何より米津玄師と菅田将暉の歌声。
これら全部を組み合わせて、「キッズ・リターン」の世界観をリスペクトした「灰色と青」は出来上がったのでしょう。
タイトル「灰色と青」に込められた思いとは?
ここでタイトルの意味を考えてみましょう。
「青」については、歌詞の一番最後に「始まりは青い色」というフレーズが出てきます。
ここから感じるのは、ふたりが再開した後に広がる青空。
”今”と”これから”を表現した、希望感じるフレーズです。
「灰色」については歌詞の中にはでてきませんが、僕はきっと「青」との対比だと思います。
つまり、変えられない”過去”。
追いかけていた「くだらない面影」。
でも、「青と灰色」じゃなくて「灰色と青」。
「どんな過去でも全部しょいこんで、それでも笑って歩いていくしかない」という希望と覚悟を、このタイトルに感じます。
おわりに
今回は、歌詞から「灰色と青」の魅力を語りました。
記事中にも書きましたが、もちろん歌詞以外の要素(メロディ、歌い方や歌声)も重要で、素敵です。
奇跡的なバランスで、この歌のもつ世界観が表現されていると思います。
本当に素敵な曲です。
最後にYoutubeのMVを張っておきますので、ぜひ見てみてください。
『BOOTLEG』特設ページへのリンクも貼っておきます。
公式サイト
おしまい。