2018年7月20日、細田守監督の最新作『未来のミライ』が公開されました!
僕は「ぼくらのウォーゲーム」からの細田守ファンでありまして、今回も劇場へ足を運んできました。
観てきた。
— るっち@はてなブログ (@Braes_R) 2018年7月22日
妹や弟には少なからず嫉妬するよな〜と、幼少期を思い出しました。#未来のミライ pic.twitter.com/HF4fOAOb2b
ネットでは低評価(5点満点中3点未満)が目につく今作。
僕も途中までは「この作品のテーマは何なんだ???」と、疑問符のオンパレード。
しかし最後まで見て、「良い映画だったなぁ」と腑に落ちましたので僕なりの感想を記しておこうと思います。
※ネタバレ含みます。
テーマは「家族への感謝」
結論から書きますと、今作のテーマは「家族への感謝」だったと思います。
もちろん「家族愛」「親子愛」「兄妹愛」も描かれてはいました。
というか、途中まではこれらがメインテーマなのではないかと思いながら観てました。
しかし今作の一番の見せ場は、物語の終盤で「ひいじいじがひいばあばと競争するシーン」でしょう。
「ひいじいじ」と「ひいばあば」の言い伝え
「曾祖父は競争して(走って)勝ったから曾祖母と付き合えた」という言い伝えが、「真実だった」と判明する名シーン。
曽祖父は戦時中に足を怪我していたため、満足に走れません。
まともに走ったら、曾祖母に敵わない。
それでも曾祖父が勝てた理由は、「曾祖母が(一生懸命な曾祖父に心をうたれて)わざとゆっくり走って負けたから」でした。
このシーンを空から見ていたミライが、くんちゃんに一言。
「ひいばあばがわざとゆっくり走っていなかったら。他にも、いろんな偶然が重なってなかったら、私たちはここにいないんだよ」と。
(正確なセリフは覚えてないので悪しからず…こんな趣旨のセリフだったと記憶しています)
これがこの「未来のミライ」で最も重要なセリフでしょう。
この前後のシーンでは家系図を連想させるCG描写がありますが、これも「様々な偶然が重なった出会い」によって今があるということを表現していると思います。
つまり「不思議な縁に感謝しなさい」よ、と。
「家族に感謝しなさい」よ、と。(先祖への感謝とも言える)
それまでの「くんちゃん」
先ほどのミライのセリフを聞くまでのくんちゃんは、それはもうただのガキんちょでした。(まぁ4才ですから当然ですけどね…)
「自分がミライのお兄ちゃんだと認めたくない(嫉妬)」
ただひたすらに、この一心でしたね。
しかしひとりぼっち新幹線で「ぼくはミライちゃんのお兄ちゃんだ」と認め、未来のミライから先ほどのセリフを聞き、ラストシーンではミライちゃんにバナナをあげながら一緒に笑うのです。
それまで「ミライちゃん好きくない」と頑なに嫌っていたガキんちょが、立派なお兄ちゃんへと成長したのです。
今の自分へと命のバトンを繋げてくれた家族(先祖)への感謝を知り、妹を大事に生きようと決意したのでしょう。
おわりに
僕自身、妹がふたりいるので感慨深い作品でした。
Twitterでも書きましたが、少なからず兄や姉は妹や弟に嫉妬するものだと思います。
自分も子どもがふたり以上できたときには、みんなでこの「ミライの未来」を観たいですね。
ミライがわかりやすくセリフにしてくれてるので、きっと家族への感謝の気持ちを感じてくれるはずです。
…たぶん。