ジョジョリオンは「呪い」を解く物語。
そして前半は、主人公・定助の正体を突き止める物語でもあります。
第1話から、多くの謎に包まれっぱなしの定助。
なぜ断層(壁の目)の下で発見されたのか。
同じ場所に死体として埋められていた、吉良吉影との関係。
半分ずつの定助の体。
謎が謎を呼びます。
ということで今回は、定助誕生の全てが描かれた12巻と13巻の感想です。
※盛大にネタバレします。嫌な人は見ないでね!
定助の正体
東方定助=吉良吉影+空条仗世文
定助は、吉良と仗世文の体が半分ずつ融合した姿。
これが定助の正体です。
では、なぜ2人は融合することとなったのか?
そのカギを握るのは「ロカカカの木」であり、その経緯が描かれたのが12巻と13巻です。
経緯
ざっくりまとめますと、こういう経緯です。
- 仗世文が幼いころ、海で溺れ病院へ搬送される(搬送された時には死亡)
- そこの医師だった吉良・ホリー・ジョースターは息子の吉影に、スタンド能力(キラークイーン)で血栓を破壊、蘇生させる=吉良親子は仗世文の命の恩人
- それから10年近くが経過、ロカカカの木の存在を吉良吉影は知る
- 偶然にも再開した仗世文に、吉良はロカカカの木の奪取を相談
- ロカカカの木はどんな病気でも治す(かわりに、自分の体の他の部分が石となり崩れる=等価交換)。病気の母のため、吉良はこれを手に入れる必要があった。
- 吉良に命を救われている仗世文は、もちろん協力
- ロカカカの木を、田最環たちから奪取(枝を切断し持ち帰る)
- 接ぎ木をして約1年後、ロカカカの木に実が成る
- 実の回収直前に、田最環たちが襲撃
- 吉良は仗世文をかばい死亡
- 仗世文は生きるべきは吉影の方だと言い、ロカカカの木(実)を吉影に食べさせる
- 仗世文が等価交換され、二人の体は融合=定助誕生
端折りましたが、こういう経緯です。
自分をかばって死んだ吉良吉影の蘇生のため、仗世文は自分の命と引き換えに吉影を救おうとしたのです。
感想
仗世文のセリフが泣ける。
ヨットの上で言ったこと…
オレを「巻き込んだ」って言ったこと…そうじゃない…
そうじゃあない…
オレの方がホリーさんのために心から役に立ちたかったんだよ
引用:ジョジョリオン第13巻「#053 ビタミンCとキラークイーンその④」より
泣いちまったよ僕は。
そして仗世文はこう続けます。
海に行ったあの日から…
最初から元々どこにもオレは存在してなかったんだ…
だから生きるのは…
オレの方じゃあないな
ホリーさんの子供…あんたの方だ…
差し出すよ…
「等価交換」というのなら…
喜んで…
俺の身体と交換するよ…
そっちの方がいい
そっちの方が…「幸せのイメージ」だ…
今まで生きてこれたしな
引用:ジョジョリオン第13巻「#053 ビタミンCとキラークイーンその④」より
このセリフを笑顔で呟きながら号泣する、仗世文の表情がなんとも言えません。
号泣ですよ僕は。
おわりに
このシーンは、間違いなくジョジョリオンの重要なハイライトシーンの一つです。
第4部では吉良吉影といえばラスボスだったので、母と友を思うその姿に驚きました。
良いやつだなぁ~吉良。
そして救われて欲しいな~お母さん。
最新刊(15巻)が発売されたばかりですが、次回も楽しみです。
おしまい。